おきまち整骨院スタッフ
「ほねまる本舗」院長の伊藤です。
腰痛になったらコルセットを病院から処方されたり、自分で購入して使用したことはありませんか?
そのコルセットで痛みが取れたことってありますか?というお話です。
今回は腰痛とコルセットの関係についてご紹介します。
コルセットと筋力低下
「コルセットをつけすぎると、背中とお腹の筋力が弱くなるからつけすぎはダメですよ」と言われたことはありませんか?
(TheSpine Journalより引用)
コルセットと体幹筋群の筋力低下の関係性についての論文があり、そこではコルセットの長期使用と体幹筋群の筋力低下について過去の論文を体系的にレビューしたもので、「長期間のコルセット使用において体幹筋群の筋力低下は生じない」という結論となっています。
つまり、コルセットを使用することで筋力が低下するということは起きません。
安静にしているから筋力が低下するのであって、コルセットとは直接関係はないものです。
コルセットと痛み
「コルセットを着けていると痛みは取れる」と思ってはいませんか?
(コクランライブラリーより引用)
その中では「腰痛に対するコルセットの効果」がまとめられています。
その論文によると、現在のところ「コルセットをつけることで腰の痛みが改善する」という報告は残念ながら存在していません。
どんな時に使うのが正しいの?
急性腰痛(ぎっくり腰)
コルセットの着用は、日常生活の動きの改善には効果的との報告があります。
コルセットをつけることで、腹圧を高めて腰部を安定させる効果があります。
腰部を必要以上に動かすことを避け、腰の負担を減らすことができ、そのことが結果的に腰痛の回復を早めることになります。
腰部手術後
腰部の手術には、腰椎を金具で固定する「固定術」というものがあります。
術後すぐに腰を曲げたり反らしたりすると、その固定が外れてしまうことがあります。そこで、コルセットを着用して腰部を動かさないようにするために用いられます。
コルセットのもつ「心理的な安心感」
コルセットをしていることで恐怖を感じないで日常生活を送ることができるのであれば、それはコルセットの効果の1つといっていいでしょう。慢性腰痛の1つの原因として心因性もありますからね。
しかし、コルセットに頼り過ぎる、すなわち依存的になってしまうことは逆効果になってしまいます。
ここでもコルセットを外す時期は、医師やセラピストなどの専門家に確認するのが良いでしょう。
コルセットの着用は「急性期の腰痛の際に、なるべく早く日常生活に戻る為に動きの負担を減らす」「手術後の腰部保護として一定期間着用」が正しい使い道となります。
一方、数年前からなんとなく腰が痛いなどの慢性化している腰痛に対しては、コルセットはあまり効果がなく、むしろコルセットに依存してしまう危険性があります。
しっかりとコルセットの使い分けをしないとコルセットから離れられない生活を送ることになります。
腰痛にも様々な種類があります。それによって治療方法も変わってきます。
なんとなくコルセットを巻いている方は、一度医療機関または整体院でみてもらうことをお勧めます。
その腰痛に悩まされているのであれば、一度ご相談下さい↓