一般の方が誤解されることの多い、カイロプラクティックと整体の共通点と違いについて解説します。
それぞれの共通点
すごく大まかに分類すると、カイロプラクティックと整体には、2つの共通する要素があります。
1つは、カイロプラクティックも整体も、基本的には施術者が手技(しゅぎ)のみで施術を行うことです。施術効果を高めるために、器具類を使用することはありますが、それらはあくまでも補助として使われるだけです。
最終的に、施術者が手技により患者様の施術をしていく点においてはどちらも同じです。
2つ目は、どちらも施術の根幹に、ひとり一人に宿る「自然治癒力」を最大限、引き出すことを目的としていることです。
人間の体には元々、ケガなどをしても、時間の経過と共に傷口がふさがっていくような「治す力=自然治癒力」が備わっています。
その力を生かすことで健康になろうという考えは、両方に共通しています。
では次に、カイロプラクティックと整体の違いについて説明します。
それぞれの違い
まずは歴史的な側面からご説明致します。
歴史的側面
カイロプラクティックは、アメリカ人のD. D. パーマーという人物が、1895年から、背骨の歪みと病気の関係について体系立て、始めた技術です。
現在カイロプラクティックは、本国アメリカも含めて、世界数十カ国で国家資格となっており、国連機関の1つであるWHO(世界保健機関)でも、医療として認められています。
整体に関しては、カイロプラクティックのような、明確な出発点がありません。
なぜなら整体は、主に中国発祥の東洋医学に、日本古来の民間療法的な武道医学の流れが合わさって発展してきたものだからです。
そのため現在でも、「○○流」など数多くの流派や技術体系が存在しています。
また、一部にカイロプラクティックの技術を取り入れた整体などもあるので、一般の方にとっては少し理解しにくいのが整体と言えます。
次に、技術的な側面から説明します。
技術的側面
カイロプラクティックでは、背骨が日常生活での様々なストレスなどにより、歪んでくることで、各種の痛みなどの症状が生まれると考えます。 なぜなら、各種の神経は、背骨を通して走っていますが、背骨が歪んでくることによって、正常な神経の流れに異常をきたすようになるからです。
この背骨の歪みを矯正することを、カイロプラクティック用語で、「アジャストメント」(矯正)と呼びます。
つまりカイロプラクティックは、骨格を矯正し、体を健康であった時の状態に戻すことで、症状を根本から取り除く施術法と言えます。
対して整体には、カイロプラクティックほど、明確な技術体系はありません。
もともと「整体」=「体を整える」の意味通り、整体は全身の骨格の歪みを見る、あるいは筋肉の矯正を行うなど、施術方法は多岐にわたります。 整体とは、体に対して行なう施術すべての総称のようなものです。
もちろん、だからと言って、単純にカイロプラクティックの方が高度だというわけではありません。
大事なことは、施術者に技術があるかどうかということです。
カイロプラクティック院と病院との違い
こちらも具体的にどう違うのか、わかりにくかもしれませんのでご説明致します。
カイロプラクティック院と病院では、症状に対するアプローチ手法も大きく異なります。
病院での医療行為は、薬、手術などで現在の症状を緩和させることを目的とします。それに対して、カイロプラクティックでは、手技により、全ての人間に宿る自然治癒力を引き出していくことを目指します。
さらにカイロプラクティックでは、痛みの症状が治まった後も、健康維持や体調管理のために定期的な施術を受けることで、体のメンテナンスをすることもできます。
けれども、当然カイロプラクティックが万能だというわけではありません。
患者様の症状によっては、カイロプラクティックでは不向きなケースもありますので、その場合は病院に行かれることをこちらから推奨します。