股関節が硬くなる原因
まずは、股関節の柔軟性が損なわれる理由から解説します。“股関節の可動域=加齢によって狭まる”と思われている方も多いですが、関節の可動域は「普段動かしている範囲」によって決定されます。簡単に言えば、毎日ストレッチを続けている方の股関節は可動域が広く・柔らかく、運動やストレッチが不十分な方の股関節は可動域が狭く・こり固まりやすくなるのです。そのほか、姿勢の悪さや骨盤の歪みなども股関節が硬くなる原因となります。
股関節が硬くなる主な原因
- 加齢
- 運動不足による血流不良
- 片足重心の立ち姿や足組みなど、悪い姿勢が習慣化している
- 長時間のデスクワークや立ち仕事
痛みの改善や冷え性予防も!股関節を柔らかくするメリット
股関節ストレッチのメリットは、柔軟性アップだけではありません。どのようなメリットがあるのか、ストレッチで得られる効果とともにチェックしていきましょう。股関節ストレッチを行うときは腰椎と大腿骨を結ぶ「大腰筋」、骨盤内部と大腿骨を結ぶ「腸骨筋」を意識的に伸ばすとより効果的です。
股関節の痛みの改善
股関節の柔軟性がアップすることで、階段を上ったときや立ち上がったとき、歩行時などに感じる股関節の痛み軽減が期待できます。歩く・走る・座るなどの日々の運動パフォーマンスが高まるほか、ケガ予防にも繋がります。
女性の大敵、足のむくみ改善
ストレッチによって体の細胞に栄養や酸素が運ばれるだけでなく、脚のむくみの原因となる老廃物や余分な水分なども排出されていきます。
太ももから足の付け根までポカポカ!冷え性の改善
股関節のストレッチは女性を悩ませる「冷え性」にも効果的。心臓から遠い分どうしても冷えやすい足の末端にまで血液が行き届き、冷え性を予防・改善していきます。
骨盤の歪み改善、姿勢の改善
少しずつ股関節の柔軟性がアップすることで、骨盤の歪みも改善されやすくなります。また、骨盤が正常な位置に戻ることにより、体に負担のかからない正しい姿勢に近づくのです。
O脚やX脚の改善&美脚効果
股関節の動きがスムーズになることで下半身の筋肉のバランスも良くなり、「O脚」「X脚」などの緩和に繋がることも。すらりとまっすぐに伸びる美脚を目指して、ストレッチを習慣化しましょう。
股関節痛はなぜ起きる?
股関節の柔軟性が失われ、可動域が狭まってしまうと痛みや違和感が生じるケースもしばしば。ストレッチによって改善されることもありますが、なかには「変形性股関節症」「大腿骨頭壊死症」「関節リウマチ」といった恐ろしい病気が潜んでいる可能性も考えられます。
とくに「変形性股関節症」は40代以降の女性に多い病気なので、足の付け根から太ももにかけてのしびれや痛み、殿部から膝も含む広範囲の痛みなどがある場合には自己判断は厳禁。専門の医療機関を受診しましょう。
初心者にもおすすめ!簡単にトライできる、股関節ストレッチのやり方
では、さっそく股関節ストレッチに挑戦しましょう!今回は、初心者でも簡単にトライできるお手軽なストレッチを5つ厳選しました。四つん這いや仰向け、座ったままなど…自分にとって楽な姿勢のストレッチからはじめてみましょう。
股関節調整ストレッチ
こり固まりやすい股関節の動きをスムーズにする、非常にお手軽なストレッチです。壁で体重を支えながら行うため、体力に自信がない方にもぴったり!
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 壁のそばで横を向いて立ち、片方の手を壁に添えます。
- 脚を肩幅に開きます。壁から遠いほうの脚を浮かし、ぶらぶらと軽く揺らしましょう。
- 脚の付け根がほぐれたら、脚は浮かした状態のまま地面に向かって強く蹴っていきます。
- 3の動きを30回繰り返したら、反対の脚も同様に行いましょう。
股関節調整のポイント
浮かした脚を地面に向かって蹴るときは、太もも周辺のかたくなった筋肉を大きく揺らすようなイメージで。
蹴ったときに、股関節からつま先まで脚が直線になるように伸ばしていきましょう。
痩せる!股関節ストレッチ
座った状態で脚をぱたりと倒すだけの簡単なストレッチです。脚痩せや美脚を望む女性はぜひトライしてみてくださいね!
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 体操座りの状態にし、脚の幅を肩幅より大きく開きます。
- 両手をお尻の後ろの床につけ、胸を開きます。
- 息をゆっくりと吐きながら、両膝を右にぱたりと倒し、次に左側へと倒します。
- 膝を倒す動きを左右交互に10回ずつ行いましょう。
痩せる!股関節ストレッチのポイント
脚を左右に倒すときは、膝が90度になるよう意識しましょう。
両膝を床につくようにして、太ももの付け根や股関節からしっかり動かしましょう。
お尻が床から浮かないように意識しましょう。
座ったままできる股関節ストレッチ

股関節の硬さにお悩みの方におすすめの、座ったままできるお手軽ストレッチです。股関節の動きをスムーズにして、立ち上がる・歩く・座るといった“些細な動き”をより美しくアップデートしていきましょう。
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- あぐらの姿勢をとり、両足裏をぴたっと合わせます。
- 足先を両手で包み、両足を体のほうにグッと寄せていきます。
- 肘を使って、膝を床へと押し付けていきましょう。
- この体勢のまま、数秒~20秒ほどキープしましょう。
座ったままできる股関節ストレッチのポイント
膝を床に押し付ける際、視線は前を向いて背中が丸まらないよう意識してください。
膝は床につかなくてもかまいません。無理のない範囲で股関節をほぐしていきましょう。
四つん這いでの股関節ストレッチ
四つん這いの姿勢で、股関節を引き寄せるストレッチです。姿勢のキープと脚の引き寄せに集中して行いましょう。
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 四つん這いの姿勢をとります。
- 右足を右手よりも大きく開きましょう。
- 股関節を床に向かって引き寄せてください。
- 左足も同様に行いましょう。
四つん這いでの股関節ストレッチのポイント
引き寄せるときは、斜め前方下に上げるイメージで。
仰向けでの股関節ストレッチ

仰向けの姿勢のまま、リラックスした状態で行う股関節ストレッチです。ダイナミックな動きがないため、ベッドの上で寝る前にトライするのもおすすめです。
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 仰向けになり、体をまっすぐ伸ばしましょう。
- 両膝を立てて、左足首を右膝にかけます。
- 左手は両足の腿の間を通るように、右手は右側から右足の腿裏をホールドします。
- 吐く息でゆっくりと右膝を引き寄せていきましょう。
- 反対側も同様に行いましょう。