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2018/07/26(木)

熱射病の間違った対策!「首・わき・鼠径部」を氷で冷やす方法では体温が全然下がらない

カテゴリー:トレーニング, 体 ゆがみ, 痛み止め, 知っておきたい栄養の話

 

おきまち整骨院の院長堅田です。

熱射病の間違った対策について話をしていきます。

熱射病とは重度の熱中症のことで命の危険に及ぶ怖い病気です!

今年、熱射病で亡くなった方はおよそ94人にのぼるそうです。

(7/24毎日新聞の記事より)

熱射病(=重度な熱中症)になってしまったときに、命を落とさないための最大のキーポイントは「どれだけ素早く深部体温を下げることができるか」です。

体温を下げる方法は、氷を使ったり、シャワーを使ったり、扇風機の風に当たるなど、体温が下がるスピードが早いか遅いかを別にすれば、たくさんあります。

その中で、「熱中症などになってしまったときは、『首』『わき』『鼠径部(そけいぶ=股関節の付け根あたり)』の3ヶ所を冷やしましょう」というフレーズを聞いたことありませんか?

実はこの方法、全然深部体温が下がらないんです。重度な熱中症である熱射病になった人がいて、その人の首、わき、鼠径部にただ氷を置いて冷やしても、深部体温が下がるスピードはかなり遅いので、下手をすれば命を落とすことに繋がってしまいます。

 

熱射病」は、熱中症の中でも最も重度な状態で、特徴は「神経・精神の障害」「40.5℃以上の深部体温」が挙げられます。

深部体温が40.5℃以上の状態が長い時間続いてしまうと、全身の炎症反応から多臓器不全へと進み、最悪の場合は死に至ります。

よって、少しでも早く深部体温を下げることが、熱射病患者の命を救うことに繋がるのです。

 

首・わき・鼠径部を冷やすことは、深部体温を下げるスピードが遅いため熱射病のケアには不適切である」というものです。ではそもそも、なぜ「首・わき・鼠径部」でのアイシングが、熱中症のケアとして本に載っていたり、授業で習ったりするのでしょうか?

これらの部位は、「大きい血管が比較的身体の表層を通っている」ため、その血管を冷やすことで、そこを通る多くの血液が冷やされ、その冷やされた血液が全身に回るため、深部体温を効果的に下げることができる、と考えられていたからです。

しかしこの方法は、何もしないよりは多少(本当に多少)深部体温が下がるスピードは早くなるようですが、熱射病になってしまった人を救うための方法としては不適切です。

それではここから、上のグラフで挙げた他の冷却方法についても、簡単に紹介します。

 

1)氷で冷やした水風呂(2℃・8℃)に全身浸かる

深部体温を最も素早く下げることのできる方法がこの「氷で冷やした水風呂に全身を浸からせること」です。上の表で示したのはProulxらによる研究(2℃・8℃)での結果で、冷却スピードはそれぞれ「1分で0.35℃」「1分で0.19℃」の深部体温を下げることができました。

今回私が作成したグラフには載せませんでしたが、Proulxらの研究以外でも、様々な研究者が様々な温度の水風呂での冷却スピードを研究で示していますが、それら全てが軒並み「1分で0.15℃」以上の冷却スピードを示しています。

NATAのポジションステイトメントには、熱射病になってしまった人に対する対処法・ケアとして、「全身(首まで)を1.7℃〜15℃の水風呂に浸からせ、常にその水をかき混ぜることで、最も効果的な冷却を行うことができ、1分で約0.2℃の深部体温減少を引き起こすことができるだろう」と示しています。

POLAR productsには、上の写真のPolar Life Podという商品があります。持ち運びがラクにできるバッグのようになっており、水と氷さえ確保しておけば、いつでも熱中症患者の全身を冷やすことができますね。

2)15℃の水道水を全身にかけ続ける

ColdWaterDousing

この方法による冷却スピードは「1時間で2.5〜3.0℃」のスピードだったと結論づけられています。これはつまり「1分で0.041〜0.05℃」の深部体温が下がるスピード。かなりスピードが落ちましたね。

このスピードでは、もし仮に熱射病患者の深部体温が43℃あった場合、1時間水道水を全身にかけ続けてもまだ40℃です。これでは、命を落とす危険性はかなり高いとともに、臓器にかなりのダメージが起きてしまいます。効果的な冷却方法とは言えません。

2)の研究とは、使われた水温が約3℃異なるため、温度の違いも冷却スピードに影響した可能性はありますが、水温よりも、全身をとにかく冷やし続ける(=冷えていない場所・時間を作らない)ということが深部体温を効果的に下げるために必要なのだと思います。

熱中症の対処方法としてよく言われる「首・わき・鼠径部のアイシング」と、その他の冷却方法について、その冷却スピードを比べてみました。

もちろん、何もしないよりはこれら3カ所を冷やした方が良いですが、ここを冷やせば安心!ではない、ということを頭に入れておいて欲しいなと思います。

水風呂ができる環境というのは現実的には少ないと思います。

よって、これら3カ所だけではなく、冷やせるなら4カ所、5カ所、6カ所、と増やし、なるべく身体全身をカバーできればより良い対処法となります。

また、涼しいところに移動したり、衣服を脱がせたり、水をかけたりなど、複数の対処法を組み合わせて、より迅速に体温を下げる努力をしていただけたらと思います。

以前学校で習ったから正しい。教科書にのっていたから正しい。とは限りません。

科学は日々進歩している、ということですね。

常に自分が持っている情報をアップデートして、自分の大切な人や、自分のチーム・選手・患者さんを、熱中症による事故から守れる人になりましょう。

 

 

 

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